司法試験失権者が、予備試験を地方で独学受験やってみた。そして受かった。

予備試験を、東京から遠く離れた地方で、予備校の答練を使用せずに勉強して受験。勉強を中心に日々、思うことを思うことを綴っていきます。(2017年予備試験 論文は合格まで2点足りず。)

口述試験 民事 メモ

とりあえず、民事の口述再現もアップします。メモ程度で、悪しからず。

そのうち、気が向いたら、詳細を記事にするかもしれません。

 

 

入室後、副査、主査の存在を確認。雰囲気をつかむ、裁判官、という感じ。

 

着席し、主査の顔を見る。

頭脳明晰な感じで、裁量が多そうな感じ。

 

主査、事案の説明に入る。

目の前に、オモテ面を向けられたパネルがあり、聞けば良いのか、パネルを読めば良いのか、はたまた両方すれば良いのか分からず戸惑う。

両方して、聞くだけでよかった場合には損害が大きすぎるので、パネルの事例は関係ないのか、聞く。

 

主査、全く動じず、パネルの事案を説明するので、と説明。

 

請求の趣旨、訴訟物を答えさせる。

その後、訴状送達後相手が死亡した場合はどうなるか、聞く。

私は、事案を勘違いして訴状の補正と言う。

主査は説明をし直す。

私は、訴訟は係属しているので訴えの変更か…、ともたつく。

主査、全く動じず、私の答えを聞き直す。訴訟係属後に相手方当事者が死亡した場合には…、と誘導。

私、思い直して、当然承継、という。

主査、うなづく。この場合、原告弁護士はどんな措置が必要か、聞く。

私、全く思いつかず焦る。

訴訟承継、と適当に言う。

主査、うん、訴訟を承継させるのに何が必要か、と問う。

私、訴訟参加、と、これまた適当に答える。

主査、惜しい、と一言。

私、(クイズみたいになってきたぞ、と思いつつ)訴訟告知ではないですし、…、と言って時間稼ぎ。暗に、降参していることをほのめかす。

主査、(軽くスルーする感じで)訴訟告知ではないね。…受継、が考えられるね。

私、(勢いよく)はい、受継です。

主査、(気を取り直して)次、今度はY側の弁護人としての主張を考える。

Y側に、パネル裏面のような事情があったとYは主張している。

Y側は、どんな抗弁をすべきか。

私、まず、売買契約の抗弁

主査、うん、売買契約の…、抗弁?

私、いえ、売買契約に基づく所有権喪失の抗弁

主査、うん、じゃあ売買契約の存在を証明するにあたって、この場合、売買契約の契約書はないんだよね。証拠方法として何が考えられる。

私、契約当事者がいますので、相手方契約当事者のAを証人として尋問します。

副査が、ごくごく軽く頷いている。

主査、うん、でも本件の場合はAが死亡しているね

私、はい。 では、契約に立ち会った近親者がいる場合には、その近親者を証人として尋問します。

副査、頷いている。

主査、うん、そうだね、他には。

私、はい。山間部での売買での土地売買において契約書作らないことが珍しくないので、近隣の土地の売買契約の当事者が考えられます。

主査、頷く

副査、深く頷く

(「君、やるじゃないか」という感じ。さらに言うと「今日は珍しく冴えてるね、ワトソン君」という感じ)

主査、なるほどね。それはどういう証拠方法

私、近隣の土地の売買契約者に、「自分らも契約書を作っていない」と、証人として言ってもらう

主査、うん、「自分らも、土地の売買をしたけれど、契約書など作っていないよ」と。

(喋るの、早っ)

主査、(何か思いついた、というような表情で)それは、訴訟でのどういう段階での主張となる

私、契約書を作らなかったから売買がない、という相手の反論に対する、再反論です。

主査、そうだね、契約書が無いから売買契約が無かったという反論に対しての、契約書がないことが不相当では無く、売買契約が無いことの理由にはならないとの主張。

(これまた、喋るの早っ)

主査、他の抗弁は

私、時効取得の抗弁

主査、うん、時効取得の…抗弁

私、時効取得に基づく所有権喪失の抗弁

主査、うん、では、時効取得を主張するにあたってYが主張立証すべき事実は

私、要件ではなくて、請求原因事実ですか

主査、再度質問を言う

私、(自信満々の大きな声で)Yの20年前の本件土地の占有、20年後の本件土地の占有、Yが時効援用の意思表示をしたこと、です。

主査、副査、頷く

主査、はい、じゃあこの場合にはXとしては、どういう反論をする

私、所有の意思をもって、と言えないのではないか、ということで…、他主占有…事情!(キマッター)

主査 (全く動じず)うん、他主占有事情として、どんなことを主張する

私 はい、固定資産税を払っていないこと。

主査 うん、固定資産税を払っていないね。でも本件では固定資産税はそもそもかからないね。

私、(ミスった)あ、…はい。

私、Yは、実際には占有をしていないのではないか、と…。(パネルを見つつ、建材が置いてあると確認する。完全に時間稼ぎだ)

主査、副査、一斉にパネルを覗き込む

主査、うん、この場合には、建材を置いて占有しているね。他には。

私  売買契約が無かったため、所有の意思を欠く、ということで…契約書が無く口頭で契約しているのみであること…。

主査、うん、他には。

私 えっと…契約しておきながら、口頭だけで済ませて放っておいている…。

主査、うん…、登記が売主Aのままになっている、ということは考えられませんか

私(力強く)はい、登記をAのままにしていること、がいえます。

(図をまたいでからの、一番下の行に、登記について書かれてある。この瞬間、初めてその一行を把握)

主査、じゃあ次、今度は逆の立場で考えて

(主査、楽しそう〜。私は、この状況楽しめません、すみません。)

主査、Y側は、他主占有事情を否定するために、どういう主張をする

私、はい、YはAと古くからの友人であって契約書を作らないことが、不自然では無いこと

主査、副査頷く

主査、うん、他には。

私、(特に思いつかず、軽く拷問が始まった気持ちになる。しかも、さっきよりキツイ。パネルに書いてあること一部を読む)

YはAとの間で口約束で済ますことを互いに合意している…

(自分、適当だなぁ、パネルに書いてあるの読んでいるだけじゃん。でも、なぜか副査、主査が頷いている)

主査、うん、他には

私、他には…(完全に降参のオーラを漂わせる)

主査、うん、YはAとの間で口約束で契約するということをしており、こういうことはその山間部での土地の売買においてはめずらしくないこと、という事がいえませんか。

私、はい、言えます。

(何それ、パネルに書いてある事、そのまま読み上げただけじゃん。そんなんで良かったのか)

主査、はい、ではこれで終わりです。お疲れ様でした。

私、はい、ありがとうございました。

(えっ…もう終わり?法曹倫理は? どっちかの日で必ず聞かれるって聞いていたから、 直前に体育館で必死に見ていたのに。まさかの時間切れ、でも無さそうだし。)

私、失礼致します

主査、副査の雰囲気を確認。私に対して、可もなく不可もなく、という感じ。

さらに、こんな1番目の受験生に、体力、知力、時間をまだ消費するわけにはいかない、という意識が見てとれた。

口述試験 1日目 (刑事ー刑事訴訟法)

口述試験直後に書いた、下記の記事を公開します。

考えてみれば、主査の方御本人に読まれているかもしれないんですよね。

そう考えると、すごく恥ずかしい。でも、受験生のために、とりあえず公開します。

 

 

主査「じゃあ、次ね。パネルを裏返してください。AはVに対する恐喝罪で訴えられた。そして、証人としてCを証人尋問することになった。Cは、そのパネルに書いてあるように、証言することになった。Aの「昨日、Vに対して『ぶっ殺すぞ』と言った」こと自体を要証事実とする場合、Cの供述は、刑法上の伝聞証拠にあたりますか。」

私(伝聞証拠か、よく分からんな。「自体」という言葉からしてAの供述内容は真実性の対象でない、と考えられるから…)

(ゆっくりと考えながら、という感じの口調で)「Aの供述自体を真実性の対象としているので…伝聞証拠には、あたる」

副査が、その瞬間、険しい表情で、明確に首をかしげる。これまで、終始頷いておられたのに、明らかに態度が豹変している。まだ容姿は分からないがその雰囲気は十分に伝わる。私は、撤回すべきだということを即座に察知。

主査(特に動じず)「うん、じゃあ伝聞証拠の定義は」 

私(即座に返す。正確性より、相手との意思疎通)「その…供述内容が要証事実とな

っているもの、です」

主査「伝聞法則の趣旨は」

私「又聞きというのは真実性に疑いがありますので…、供述証拠は知覚記憶表現叙述の間に誤りが介在するおそれがあるので、それを反対尋問によって是正する必要があるから、です」(後半の発言、早っ。論文での吐き出しじゃんか。主査副査共に、この点については無反応)

主査「うん、じゃあこの場合、Aの発言について、反対尋問で是正できる?」(私が、「しまった。自分間違っていた」という感じで痛い表情で頷くと、副査も軽く頷く。)

私「AはCに対して言っていますので…」

主査「いや、Cに言っていない。Aは〇〇〇〇と言った、と言ったのをVは聞いた」

私「はい、この場合、Aの記憶が介在していますので、Aの発言を反対尋問で吟味することはできない。そのため、伝聞証拠にはあたりません」

主査「うん」

(やや穏やかな表情で)「じゃあ、次、また全然別の事例ね。AとBは共同被告人として訴えられた。二人は別個の裁判で審理され、同じ裁判官が担当した。ここで、Bの裁判が先に終了した。その後、その裁判官はAの裁判について審理できる?余談排除の問題とか考えられますが」

私(この場合、予断排除は問題とならないはず)「Aの裁判は、できる、と思います」

副査は軽くうなづく。

主査「できる…理由は」(ほくそ笑んでおられる。『まさか君、二択で、たまたま当たった、とかじゃないだろうな。そんなんでここまでこれたなら悪運が強すぎるぞ』という感じだろうか。フワリ、とした雰囲気で理由を聞く)

私「予断排除は、同一裁判において問題となるものなので…(副査が、深く頷くのが視界に入る)異なる裁判においては証拠が違うため、問題とならない」

主査「証拠資料が異なるから、予断排除は問題ない、と」

主査が副査に話を振る。

ここで、初めて私は副査の顔を確認する。なんて、聡明な表情なのだ、と感動する。

副査(快活な口調で)「緊張していますか」

私「はい」(もちろん)

副査「緊張しすぎると、自分の考えがまとまらないので良くないですよ」

私(なんて、知性と人間愛にあふれたお方なのだろう。これほどの人を、私は未だかつて見たことがない。俗世間での私の普段の生活では、滅多にお目にかかれない人だ。こんな人が、この世の中に存在しているなんて)「はい」

副査「犯罪が成立するためには、結局、何と何と何が必要?」

私(一瞬、手続きのことかと、ポカンとする)「実体法上ですか」

副査「うん、実体法上」

私「構成要件、違法性、責任」(覇気のない返答)

副査「うん、もっと自信もって」

私「はい、すいません」

副査「それで、さっきの社会通念上うんぬん、といった話は、どの問題」

私「違法性です」

副査「違法性ね。そこんとこ、さっき、混乱していたね」

私「はい」

副査「それで、今回の恐喝の事件では、行為の態様が問題となるんだけれど、それは何の問題。恐喝の行為だから…」

私「構成要件です」

副査「うん、じゃあ交付した金銭については」

私「違法性…」

副査(顔が険しくなり)「損害だから」

私「構成要件です」(ヤバい。軽く拷問が始まった。帰りたい。死にたい。でも踏ん張る。)

副査「今回、Vは、お金を借りたことすら否定して拒んでいるんだよ。このまま放っておくと、Aはお金を返還されないよ。」

私「はい、この場合、債務者の拒む態度との相関関係で、行為が社会通念上相当かどうかが決せられます。この場合には、Aが強く言っていますので、社会通念上相当性を欠くと言えます」

副査「社会通念上の相当性はどうやって判断する」

私「はい、債務者の支払い拒否の態度との関係で、債権回収が…、やりすぎかどうか」

副査「(ちょっと笑って)まぁ簡単にいうと、そうだね。本件では、どの部分が、社会通念上相当性を欠く」

私「ぶっ殺すぞ、と言っており、(副査が頷くのを確認し)…慰謝料として5万円を要求して、…(この瞬間、副査の表情が険しくなる)いる…」

副査「うん、(この時、何かいろいろ説明されたが失念する)

慰謝料の要求は関係ないね」

私「はい、やはり『ぶっ殺すぞ』、という発言がトリガーとなって、お金を交付させていますので、やはりこの発言が社会通念上相当性を欠くと言えます」

(トリガーという言葉にお二方とも反応せず。自分としては、結構自分の感覚に近い表現をしたんだけどな。そう言えば昔、刑事訴訟法の学者が、「論文では、できるだけカタカナの表現は使うな」と言っていた。今回も、ウケが良くなかったか。まさかトリガーの私の発音がなまっていて、トリガーの意味が通じていないとか。)

(副査の、社会通念上の話を、私が聞いている際、主査が私の様子をうかがっているのが、何となく雰囲気で分かる。「本当にこの子、分かっているんだろうなぁ!?運だけでここまできたんじゃないだろうなぁ?」という感じ)

 

副査「うん、ぶっ殺すぞ、という発言が、この事案ではやりすぎである、と」

私「はい」

副査(主査と見合わせ、充実感の漂う表情で)「では、これで終了します。お疲れ様でした」

私「ありがとうございました」

(立ってから、再度前を向いて)「失礼、致します」

副査(こちらの様子をしっかり把握しているようで)「(軽く)はい」

  

私、ドアを閉める。中からは何も聞こえず。

 

 

口述試験、1日目 (刑事ー刑法)

口述試験直後に書いていた、下記の記事を公開します。

 

当日の朝、口述試験会場の敷地内に入った瞬間、なぜか民事と間違って、民事の列に並ぶ。すぐに刑事の列に入ることに。

少し、動揺した。

体育館の番号札を渡され、その番号のパイプ椅子に着席。

私は、某室の4番であった。

6番中、4番か。まずまずの良い番号ではないか。

すぐ前の人は、二十代と思しき女性。そのさらに前は男性。同室2番の人は、社会人の雰囲気がビンビン漂っている。

しかも、若手イケメン出世頭の商社マン、っという感じの、いわゆる「デキル男」感が半端なかった。トイレに立つ時に、顔がチラリと見えただけなのに。

 

10時半くらいに待機室に呼ばれ、その後が意外と長かった。同じタイミングで待機室に呼ばれた人の中で、おそらく一番遅くに入室した。

11時頃だろうか。

やっと呼ばれて、部屋の前まで足早に移動。

ノックして、中から、チンと音がなったら入室するように指示され、指示通りに中に入る。

入室し、開口一番「失礼します」、席の横に立ってから「○室4番です、よろしくお願いします」

以下、現場の雰囲気(括弧書き)と質疑応答、私の心理状態(括弧書き)を記載します。一言一句正解ではありません。質疑応答のトータルは記載していると思いますが、質問が、若干、前後するかもしれません。

 

 

主査「どうぞ、お座りください」

私「はい」(主査、顔が近くないか?前のめりで、なんとなく近く感じる。やや圧迫される感じ。でも、想定内。副査については雰囲気把握、容姿はこの段階では分からず。)

主査「今から言う事案について、考えてください。AはVの自転車を盗み、無施錠で自分の家の敷地内に置いた。そして、その次の日、VはAの敷地内の自分の自転車をAに無断で持ち帰った。事案はわかりましたか」

私(即座に、堂々と)「はい」

主査  (私の即座の返答が意外、といった雰囲気で少しだけ間が空いて)「分かりましたか。では、Vには何罪が成立しますか」

私「はい、窃盗罪が成立します」

副査(軽くうなづく)

主査(『ほぅ』という感じ。これまた、すぐに答えられて意外という雰囲気)「窃盗罪…。窃盗罪が当然に成立すると」

私(自信満々で)「はい」

主査「窃盗罪の構成要件は」

私「他人の物を、窃取したこと、です」

主査「うん、他人の物…、もう少し正確に。条文上は」

私「他人の財物を窃取した」

副査(うなづく)

主査「うん、そうだね」

主査「では、この場合、窃盗罪が成立するにあたって何が問題となりますか」

私「はい、そもそもこの自転車はVの所有物であったので、自分のものを取り戻した行為が窃取したと言えるのか、問題となりますが、Aの一応平穏な占有を侵害したと言えますので、窃盗罪が成立します。」

主査「うん、自己の財物であっても他人の占有するものは他人の財物となる、というのは条文で規定されている?」

私(自信ないけどあった気がする。)「はい…、自己の財物でも他人の占有するものは他人のものとするのは…(副査がうなづくのが視界に入る)ある…、と思います」(最後の方、声が小さくなる)

主査「うん、まぁ、あるんだけどね。自信なさそうだからね」(少しだけ微笑む)

私「はい」

主査「では、この場合、犯罪を成立させるにあたって何が問題となる」

私「はい、そもそも自分の所有物であって盗まれたものを、取り返しているので財産権を侵害したかが、問題となりますが、すでにAの平穏な占有として、自転車が保管されているので犯罪が成立します。」

主査(ふーん、という感じ。何か考えている)「それは、どの部分の話」

私(意図が今ひとつ分からず)「Aが盗んでから平穏な状態で自転車を保管しているので、これを取り戻す行為は社会通念上、相当性を欠くといえ犯罪が成立します」(さっきと同じようなことを繰り返しているだけだな、私の答え、ちょっとズレてるか)

主査「では、本件について占有を侵害したというのはどう判断する。占有侵害したら、犯罪成立する?」

私「いえ、本件の場合、AがVから自転車盗んで、自分の支配下に移し、Vが取り戻すまで日をまたいでおり、平穏な占有がありますので、この場合の占有は刑法上保護され、犯罪が成立します」

主査「平穏な占有」(「平穏」を強調する)

私「はい、社会通念上、その占有を保護すべきである占有は、平穏な占有として保護されます」

 

主査「じゃあ、判例も、あなたと同じ立場をとってる?」

私「はい、同じような立場をとって…います」(ゆっくりと、思い出すような口調で)

主査「平穏な占有、と?」(また「平穏」を強調する)

私(主査と目を合わせず、考え込む感じでゆっくりと)「いえ、判例は平穏…とまでは言っていません」(平穏という言葉がネックになっているのか)

主査、副査、無反応でスルー(なんとなく、しらけた感じ)

(『この受験生、自分の知識じゃなくて試験官の聞き方、ニュアンスで答えを変えているな』と思われている感じ。私の心境、バレてる。)

主査「では、あなたの平穏な占有を保護する、という考えでは本件では、どういう要素を考慮して、犯罪成立を判断する」

私「取戻し行為が、自救行為にあたるか、ですか」

主査(力強い口調で)「いや、平穏な占有を判断するにあたって、何を考慮する」

私(それ、先に答えたやつと何か違うのか?)「はい、取り戻し行為が、占有を社会通念上妥当かどうかを判断するために、時間の隔たりを考慮します」

主査「うん、時間がどうだったら、どうなの」

私「時間が長ければ、平穏な占有が認められて、取り戻し行為に窃盗罪が成立します」

主査「うん、いつからいつまでの時間」

私(『えっ、こんなの何か問題になる?』)「Vが自転車を盗まれてから取り戻すまでの時間、です」

主査「うん、じゃあ、Vがずっと盗難に気づかなくても、その時間?」

私(即座に切り返し)「いえ、Aが盗んでから、Vが取り戻すまでの時間、です」

主査「うん、それもおんなじだよね。Vが気づかなくても、その間、時間が経っていたら成立する?」

私(即座に切り返し)「いえ、Vが気づいてからの時間、です」

主査(気づいてから、という言葉に即座に反応し)「Vが気づいてからの時間、と」

私「はい」(これか)

主査「本問の場合、Vは気づいてからすぐに取り戻しているね。この場合は、平穏な占有と言える」

私(圧迫感あるなぁ、ここで私は撤回すべきなのかぁ?)「いや…、すぐに取り戻しているので、占有に保護が社会通念上相当とは言えない…、と思います」

主査(キタキタ、という感じで)「うん、それじゃあ、さっきあなたは社会通念上、占有保護すべきだと言ったけど、それは違うの」

私「いえ…、やはりAは自己の支配下に自転車を置いて、保管していますので、この占有を保護するのは社会通念上相当であると思います」

(キツくなってきた。主査の聞き方のニュアンスで答えを変える私の姿勢が仇となっている。でも、まだ想定の範囲内。)

主査「うん、じゃあ、時間の他に考慮要素はない」

私「場所が離れているか、ということ」

主査「うん、場所が離れていたら、どうなの」

私「場所が離れていた場合には取り戻しが即座には困難となりますので、Aの占有が保護され、窃盗罪が成立し易くなります」

主査「うん、他には、Aの自転車の確保の状況とか」

私「はい、Aは自分の家の敷地内に自転車を置いており、通常他人が持ち去らない場所に保管しているので、これも占有を保護する事情となります」

主査「Aの、そういった保管状況も、考慮要素になる、と」

私(力強い口調で)「はい」

 

主査「じゃあ、また全然別の事例。AはVに金を貸すことを懇願され貸した。その後、AはVに返済を催促したが、Vは金を返さず『そんなものは借りていない』と金を借りたことすら否定した。そこでAはVに対し、『金を返さないとぶっ殺すぞ、慰謝料としてさらに五万円払え』と言ってVに15万円を払わせた。事案は分かりましたか」

私(即座に)「はい」

 

主査「(また少し、意外といった表情で)分かりましたか。この場合、Aには何罪が成立する」

私(少しだけ間をおいて)「恐喝罪、です。15万円について一括で、恐喝罪が成立します」

主査(ふーん、という感じ)「恐喝罪、ではこの場合、犯罪成立するにあたって何が問題となる」

私「AはVに対し、債権を有しており、正当な権限として債権回収ができる立場にありますが、その行為が、脅す行為を用いた点で社会通念上相当性を欠き、恐喝罪が成立します」

副査(私が話している間、軽くうなづいている)

主査「恐喝罪は、どういう場合に成立する」

私(うろ覚えだ…)「人を脅迫して、財産上の利益を取得した…、あっ、この場合はお金という財物を交付しているので、財物を交付させた、場合です」

副査(私が話している間、頷いている)

主査、副査共に、財物の交付か、財産上の利益の移転か、には無関心。

主査「うん、この場合、いくらについて成立する」

私(えっ、それもう一度言わせるの。私、間違っていないと思うし…)「はい、これは見解の分かれるところですが…(主査、副査共に頷いていないのが視界に入る)やはり脅したことは金額の区別がなく全ての金額に及んでいるので、15万円、です」

 主査「なぜ、15万円につい、成立する」

私「はい、債権回収の権限があると言えども、脅してお金を出させるという行為が、社会通念上、相当性を欠くので、その行為によって取得したお金全額に、恐喝罪が成立します」

主査「うん、(ここで何か、もっと突っ込んだ質問をされる)」

私「はい、行為が社会通念上相当性を欠く場合には、違法性阻却が認められない、となります」(考えながら喋ったので、分かりにくい説明となる)

主査「う ん!?  違法性阻却が認められない、ということは、違法性がある、ということ」

私「…はい、行為が社会通念上相当性を欠く場合には、違法性が認められます」

主査「社会通念上相当性は、どうやって判断する」

主査「強制力が強すぎるか、でする。この場合、ぶっ殺すぞ、と言っており、社会通念上、相当性を欠くといえます」

主査「うん、でもこの場合には、Vは金を借りたことすら否定しているよ。それでも行為の相当性が認められず、恐喝罪が成立する」

私 「はい、社会通念上相当性があるかどうかは、被害者の支払い拒否の態度と相対的に、考慮すべきです。被害者の支払い拒否の態度が強い場合には多少の行為をすることも社会通念上相当と考えます。この場合には、ぶっ殺すぞ、と言っており、さらに慰謝料まで要求していることが社会通念上相当性を欠くと言えます」*(今度は容易に結論を撤回しない。私もさっきの安易な撤回を反省し、学習したのです。)

主査「うん、本件についてどう考える、成立するのが15万円か、5万円か、異なる考えがあるとして、あなたはどう考えてどの金額で成立するとの結論をとる」

(この辺のやりとりについて、詳細は失念。でも確かこんな感じだった。)

(社会通念上云々の話が出てきてから主査の雰囲気が熱くなる。そして、顔を手で触り出す。これって、心理学的に、人が動揺したり退屈したりした時にする行為じゃなかったっけ…。私、なんかおかしいこと言っているのか。)

私「(さっきと同じようなこと*を答えて)15万円について成立します。」

主査「うん、そのことについてまた後で聞くね」

 

主査「じゃあ、同じ行為で、10万円のみ交付させた場合には、どうなる。」

私「その場合も、脅す行為が、社会的相当性を欠くので、恐喝罪が成立します」

主査「この場合も、社会通念上相当性を欠くと。」

私「はい、(*印と同じようなことをサッと答えて)社会通念上相当性を欠きます」

 

口述試験の結果が出ました

遅ればせながら、口述試験の結果が出ました。

論文試験同様、成績通知まで、待つつもりだったのですが、受験番号を報告していた某予備校から、合格者対象のメールが送られてきて、結果をフライングゲットしてしまいました。

 

まあ、予備校も、まさか本人が確認していないとは思っていないでしょうから、悪気はなかったのだと思います。

 

予備試験合格者の親睦会等、予備試験合格者の皆さんは行くのでしょうか。

私は、迷っています。

行った方が良さそうだとも思いますが、何せ出不精で。

そして、あの感動的な口述試験の体験の記憶が、薄れそうになっていることに危機感覚えています。

 

口述試験の再現、アップしておこうかなぁ、とこれまた迷っております。

再度読み返し、思い出に浸っています。もう二度と、あんな体験できないのだろうな、と思います。

論文試験の成績

口述試験遠征から帰ってきて、論文式試験の成績表をまじまじと眺めました。

悪い、悪すぎる。

 

憲法D

行政法A

民法D

商法F

民事訴訟法B

刑法C

刑事訴訟法C

一般教養D

法律実務A

 

刑事系は、自分ではかなりできたと思っていたのに、いまひとつの評価となってしまい、口述まで、結構勉強した。

まず、手続きを一通り見直し、刑法各論の判例集をざっくりと二周した。

そしてまた手続きを、条文をふまえて、しっかりと読み込んだ。

口述は、まずまずの出来だったと思う。

民事も、手続きを見直し、何より要件事実の本を何度も読み込んだ。

まずまず、出来たと思う。

 

口述試験の帰り道

口述試験の帰り道、地方の独学受験の私は、当然一人で、新浦安駅まで歩いていました。

そういう人、他にも結構な数いたので、別に私だけが特別なわけではないのですが、大学生らしき若い人が、二人組になって試験の感想を言いながら帰っているのを見ると、羨ましいなぁ、と思いました。

 

1日目刑事午前組としては、私も、彼ら彼女らと同じ試験を受けたわけだし、その会話で当然なされる、口述試験の内容と感想が気になる。

後ろから、ついて行って、彼ら彼女らの会話を聞いていました。

 

予断排除とか、恐喝罪についての問題について、ネタにしていて、すごく興味深かったです。さすがに、新浦安駅まで歩く間ずっとすぐ後ろで聞いているのはあやしいと思って、途中で、離れました。

 

でも、すごく有意義な時間でした。

若くて優秀な人が、こんなに多く集まることもなかなか無いのだろうな、と感動に浸っていました。

そして、刑事、民事で、口述で聞かれたことで自信の無かった問題については、しっかりと家に帰って調べました。

すごく良い勉強になりました。

添えぞれの科目につき、僅か20分程、法律家の先生とお話をしただけなのに、丸一日みっちり講義を受けたような充実感がありました。

感動します。

口述試験 2日目 民事

口述試験の2日目は、午後、民事でした。

試験の順番は、まさかの一番。

最前列に並ばされて、パイプ椅子に座った瞬間から臨戦態勢に入りました。

隣に座っていた、男の子も持ってきた資料や六法を必死でめくっていました。

そのことはいっこうに構わないのだけれど、こっちの様子をうかがったり、心臓をバクバクさせるの、やめてくれない?、と思った。

こっちまで無駄に緊張してしまうじゃん。

お互いに一つの椅子を取り合う関係にもないんだし。状況を取り違えていない?、と。

しかも、私たちは、部屋が違うから同じ試験官にあたらないよ、と。

どちらかというと、同じ時間に試験を受ける者として、連帯意識が私はありました。

 

発射台では、少しマシになりました。

試験室まで、連れていかれて、皆が一斉にノックして、一斉にそれぞれの部屋から、チン、となるので、正直言って自分の部屋からの音なのか、分からない。

でも、そんな事には一切構わず、入室。

あれ、1日目の戦乱の残骸みたいな雰囲気が部屋に充満していない。

そうか、これが1番目、ということなのか。