予備試験を地方で独学受験やってみた。そして受かった。

予備試験を、東京から遠く離れた地方で、予備校の答練を使用せずしました。

令和二年 司法試験 再現答案 第二弾

最近、司法試験の再現答案をnote にアップしました。

note.com

 

以前民法の設問3について、このブログで公開しました。

多くの人に見ていただいて、嬉しく思います。私の、他の人の再現答案を、検索したり、購入したりして、よく読んでいました。

自分とは異なる視点が得られたり、と勉強になります。

あともう少し、再現答案を公開しよう、とこの記事を書くにいたりました。

憲法は昔から得意でして、在学中から、ほとんど勉強をしていないにもかかわらず、良い成績を取ることができていました。

今年の司法試験においても、難しかったものの、私の答案においては大崩れしていない、と考えております。

そこで、憲法の一部の再現答案を、効果します。あてはめは、おそらく受験生皆が書くであろう無難なものになっていると思いますが、合憲性判断基準の設定における考慮要素、人権の設定と制約態様については、私なりのこだわりが大いに表れています。

もしかしたら、私の答案で評価されている点の一つかも知れません。

『再現答案』としていますが、あてはめは、もう少し詳細に書いた記憶があります。結構枚数も使いましたので。主に、答案の型を意識して再現しました。

受験生の皆さん、参考にしてみて下さい。

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憲法

1、規制①について

1

規制①は、バス事業者の、高速路線バスの運行をする自由を侵害し、違憲ではないか。

かかるバス事業者の権利は、営業の自由として憲法上(憲法、以下省略22条)保障される。

なぜなら、明文上保障される職業選択の自由は、職業を選択した後の営業の自由まで保障されなければ、その保障の実益を欠くからである。

2

もっとも、保障されるとしても絶対無制約ではなく公共の福祉(221項)により必要最小限度の制約を受ける。

そこで、いかなる制約が認められるか、合憲性判断基準が問題となる。

ここで、営業の自由は、表現の自由と異なり、自己実現、自己統治の価値が低く、民主制の基盤となっていないため、表現の自由よりも制約は緩やかな基準で認められるべきである。

また経済的自由の制約はその目的も様々であるところ、当該制約目的は、公共交通の維持、拡充という社会政策的目的である点で、積極目的であるといえ、立法府の裁量は大きく裁判所は立法府の判断を尊重すべきである。

他方で、制約の態様は、既存の生活路線バスを運行する乗合バス事業者の経営の安定を害さない場合にのみ認められる生活路線バスを運行することによってのみ、高速路線バスの運行が認められるというものである。

ここで、新規の生活路線バスの運行は、既存の生活路線バスが運行していない路線に限り認められる。かかる路線を運行して収益が得られる見込みは低く、かかる制約のもとで新規の生活路線バスの運行をする事業者がいるとは考え難い。

このことから、規制①は、新規の生活路線バス運行業者による高速路線バスの運行を、実質的に禁止するものであり、高速路線バスの運行による収益が大きいことを考慮すると、強度な制約である。

よって、制約基準は、若干緩やかにすべきであり、目的が重要で(①)、手段が目的と実質的関連性がある(②)場合に認められる。

3

本問において、目的は既存の生活路線バスの運行業者の経営の保護することで、公共交通の維持拡充を図るという点にある。これによって、高齢者や高校生等の移動手段が確保されることから、目的は重要である。(①)

また、手段については、新規の生活路線バスの運行による、高速路線バスの運行を実質的に禁止するものであり、過度であるとの見解もある。しかし、かかる手段によって既存の生活路線バスの運行の路線の廃止や減便は防止できる点で、目的との実質的関連性を有する。(②)

以上より、規制①は、合憲である。

 

2、規制②について

1

規制②は、特定の渋滞区域に、特定の時間帯において自家用車で乗り入れる自由を侵害し、違憲であるといえないか。

かかる自由は、国内を自由に移動する権利として憲法221項によって保障される。

もっとも、公共の福祉(221項)により必要最小限度の制約を受ける。

そこでいかなる制約が認められるか、合憲性判断基準が問題となる。

2

ここで、移動の自由は、経済的自由であり、表現の自由と異なり民主制の基盤となっていないため、緩やかな基準によるとも考えられる。

しかし、本件の特定の区域は観光地も含まれているところ、特定の場所に一時的に自家用車で乗り入れることは、その特定の場所に入ることによって、日常で得られないものを見聞きし自己の人格の形成発展に役立てることを想定しているといえ、自己実現の価値を有する。

したがって、経済的自由への制約だからといって緩やかな基準による判断をすべきではない。

また、規制②は、交通渋滞により、住民の歩行や緊急車両の通行が困難となるのを防止することを目的とする点で、消極目的であり、裁判所が合憲性判断に広く介入すべき場合である。

他方で、規制②は、特定の区域の特定の時間帯のみの自家用車による乗り入れを原則として禁止するものであり、制約は限定的である。

よって、若干緩やかな基準によるべきであり、目的が重要で(①)、手段が目的と実質的関連性を有する場合(②)に合憲であるとすべきである。

3

本問において目的は、交通渋滞を軽減することで住民の安心安全な生活を保護することであり、重要である。(①)

手段は、特定の渋滞区域について、特定の時間帯における自家用車の乗り入れを禁止するというものである。

ここで、区域内に居住する者の乗り入れは制限されず、区域外の居住者のみによる乗り入れを禁止し、不必要な交通量の増加を防止できるといえ実質的関連性が認められそうである。

しかし、観光地では、通常区域外の住民が赴くといえる週末や休日の午前9時から午後5時までの間の時間帯が想定されている。

これは、観光客の、同区域への観光を実質的に禁止するものである。

また、観光地において渋滞を生ぜしめているのは、観光バスもあり、自家用車のみの乗り入れを禁止しても、渋滞の解消にはならないと考えられる。

よって、かかる規制②は、目的と実質的関連性を有しない。(②)

以上より、規制②は、違憲である。

 

予想、B

問題となる点をピンポイントで抽出するという点において不十分であったと感じています。ただ、現場では、これが限界でした。