予備試験を地方で独学受験やってみた。そして受かった。

予備試験を、東京から遠く離れた地方で、予備校の答練を使用せずしました。

令和二年 予備試験自宅作成答案 法律実務基礎科目(刑事)

今年の予備試験について、答案を自宅作成してみました。

司法試験よりは楽だとはいえ、時間的に結構ハードでした。

iPadで問題を見ながら、iPhoneで答案を作成しました。

フリック入力だったのと、途中トイレに行ってしまったとはいえ、予定時間の1時間35分頃に設問3をようやく終えて、設問4がまるまる残ってしまいました。

 

我ながら、『私は本番で、どうやって書き切ったんだ?』と思ってしまいました。

後で、設問4もザッと書きました。

詳しくは、全文は、noteにて。

note.com

 

ちなみに、今年の司法試験を終えた直後の脱力感たっぷりの心境の吐露は、こちらで。

www.youtube.com

 

ーーーーーーー法律実務基礎、刑事 

 

第一、設問1

1、問(1

V方内の一階居間のテーブルにAの指紋が付着していたという事実は、Aが、そのテーブルに触れたという事実の直接証拠となり、同時に、これはAV方一階居間に入ったことの直接証拠となる。

そして、VV方の一階居間で、何者かに胸を刺されて死亡したことから、何者かがV方の一階居間に入ったといえる。

このことと、Aの上記指紋により、A Vを一階居間に物理的に入った事実が認められるため、Aが殺害した可能性があることが、認められる。

しかし、AはかつてVの従業員であり、Vの死亡前にも、V方を訪れたことがあり、指紋はその際に付いたとも考えられる。

Vが死亡していた居間に入ったことからAVを殺害したとの推定は弱い。また、A以外にも、V方に殺人のため侵入した者がいることは否定できない。

2、問(2

証拠⑦は、Aが友人であるCに人を殺害したことを述べたことを内容とするCの供述である。この供述は、Vが殺害された夜になされている。また、この時のAの凶器の破棄場所に関する発言内容と同じ場所に、凶器と思われるナイフが発見されたことが証拠⑨から分かっている。

さらに、かかるナイフに付着した血について、VのものとDNA型が一致したことが証拠⑩から分かっている。

また、このナイフは、その形状からVの死因を形成したものであることが、⑪から分かる。

このことと⑩から、このナイフは、Vの殺害の凶器として用いられたものだといえる。

さらに、殺害した犯人でなければ、V死亡当日の夜に、凶器の破棄場所を知らないのが通常であり、これに関する発言をしたAは、Vをナイフで刺したことが推定される。

さらに、Cの話によると、Aは、一般に自己の本音を任意で言う相手と言える友人に、自ら人を殺したと言っており、実際に凶器が発見されている。()また、Aから Cに対する着信が、V死亡時の夜にあったことが証拠⑧から分かっている()その上、証拠⑪により、かなり深く刺さなければVの傷が無かったことが判明している。これら()から()までのことから、Aには殺意があったといえる。

以上より、Vの殺害について、Aの犯人性が推定される。

 

第二、設問2

1、問(1

弁護士は、検察官の請求証拠の開示を受けて、(刑事訴訟法、以下省略、316条の14

関連証拠として、犯行時刻付近における通行人または近隣住民の聴覚のみの情報を含む目撃情報を請求する。(316条の15

この証拠は、316条の151項第6号に該当する。W2の供述によって直接的に、当該供述内容てなっている、声と物音がV方から犯行時刻付近にしたことを証明しようとしているからである。

ここで弁護士は、自己の請求する証拠が、W2の発言の信用性を増強または減退させるものとして、検察官請求証拠と関連すると考えている。この場合、上記の類型(同条6号)と、開示請求証拠を識別するに足りる事項として、W2の発言と同様の時刻場所においてV方から聞こえてきた音及び声に関する目撃情報であることを明示することが必要である。

 

2、問(2

弁護人は、検察官請求証拠の信用性を疑っているため、この信用性を増強させる証拠を開示する必要がある。

W2の供述は、通行人による発言であるところ、V方とは別の家から聞こえたものか、空耳である可能性は否定できない。

近隣住民も、同様の声や物音をV方から聞いていたのであれば、W2の上記供述の信用性は高まる。

よって、隣人による、V死亡時刻付近の、V方から聞こえた音の情報である、証拠⑥を開示する。

 

第三、設問3

弁護人の申立ては、Cの供述が、公判期日外におけるAの発言を内容とするものであるため伝聞証拠として、伝聞法則により(刑事訴訟法320条)証拠能力が否定されることを根拠とする。

検察官は、伝聞証拠であるが、Cの供述は公判期日における供述であるため、伝聞例外(3212項)に実質的に該当するため、証拠能力が認められると主張する。