「嫌われる勇気」(アドラー心理学の本)を読んで
今年の3月に「嫌われる勇気」を読みました。
その少し前、「100分で名著」(Eテレ)でアドラー心理学が紹介されてから、ずっと読みたいと思っていたので、
本を手に入れた瞬間、「やったー」と、心の中で叫びました。
わくわくしながら読みだしたのですが、読めば読むほどひき込まれていき、期待を裏切らない内容でした。
本文の形式は、多くの人がご存じのとおり、哲人と青年との会話形式で、話が進んでいきます。
この形式は、青年と哲人とのコントラストが見事に出ており、読者を飽きさせません。
そして、なにより、その内容です。
本の最後になるにつれて、まさに私が十代の頃思っていたことが、そのまま哲人によって語られている、と思えました。
特に、中学生の頃、大きくなったら何になりたいか、ということをテーマにした教師の話がある度に、私は違和感をおぼえていました。
心の底からやりたいことばかりをやってまともな職業に就ける人生なんてないだろうし、
仕事をする以上、そこには義務が伴う。
当時の教師の話は、そのことに全く配慮していない(言葉のとおり下手な子供だまし)ように感じたのです。
当時の私は何よりもその教師に対して、逆に質問したかったのです。
「先生は、現状のご自身のような教師になりたいと、思っていたのですか」と。
いささか個人的な経験を交えた独断的意見を述べましたが、この本にはとても共感しました。
生きることについて、充実感が得られました。
そして何より現状の自分が励まされました。
未来が不安になるのは、今この瞬間を精一杯生きていないからなのだ。
私は、過去でも未来でもない、今この瞬間を生きていくのだ、という情熱が沸いてきました。
最近、二回目として部分的に読んだのですが、それでも何か胸にうったえかけるものがありました。
名著って、何回読んでも飽きないもの、まるで噛めば噛むほど味が出るスルメみたいだなぁ、と思いました。
その後、「幸せになる勇気」も読みましたが、個人的には「嫌われる勇気」の方が胸にうったえかけられました。
また、何か生きるための情熱が欲しいとき、ページをめくりたいと思います。