アガサクリスティ作「そして誰もいなくなった」、日本版ドラマ二夜連続放送を見て
アガサクリスティ作「そして誰もいなくなった」、日本版ドラマ二夜連続放送を見ました。
二夜連続で見た感想を一言でいうと、「怖かった」です。
一話目、どんどん人が死んでいき、話の展開が早い、と感じました。
また、このまま誰かが死んでいくとなると、怖くなりました。
それぞれの被害者の過去の回想の場面も、かなり不気味でした。
さらに音響効果が、その不気味さを増大させていました。
二話目のある日の昼間や夕方、ドラマの犯人はだれなのか、と暇な時間に自然と考えていました。
「オリエント急行殺人事件」の結末でだまされた、と感じていた私は、このドラマも皆が犯人なのではないか、
はたまた他殺に見せかけた自殺なのではないか、などと奇想天外な推理をしました。
そして、ようやくドラマの時間となる夜九時には、自分なりの結論が出ていて、見る前にある程度満足している自分がいました。
結局、結末は私が予測したものとは全く異なるものでしたが、ドラマの音響効果と映像、そして主演の仲間ゆきえさんの演技で十分満足しました。
このドラマは、ミステリーであると同時に、主人公の悲劇でもある、と感じました。
こんなことを考えながらアガサクリスティーの創作意図に思いを馳せました。
そして、脚本や監督を担当された方も、見事、の一言です。
見終えた後も、時折、怖い映像が頭をかすめるほどです。
それくらいインパクト十分でした。何というかミステリーというより私にとってはホラーだったな、と思いました。
もうしばらく、ミステリーはドラマでは見なくてよい、と思いました。