予備試験を地方で独学受験やってみた。そして受かった。

予備試験を、東京から遠く離れた地方で、予備校の答練を使用せずしました。

人間失格(by太宰治)を読んで

人間失格

これを読んだのは、斜陽よりも前で、あらすじや構成は何となく(他の本による引用、解説等により)知っていました。

そして、本の中の「はしがき」、「あとがき」で出てくる「私」も手記の書き手である「大庭葉蔵」も筆者の考えを語る主体なのだ、という印象を受けました。

それこそ、「私」という主体で語る(小説としてもっとも書きやすい)手法をとりながら、客観的視点としての筆者の視点を取り入れ、フィクションとして仕上げている、成功例だな、と思いました。

この手法は用意に真似できそうですが、内容(ストーリー)および表現は彼特有のものであり、なかなか真似できるものではありません。

どの表現が、どのように優れているか、を語ることが無意味なほど、一つ一つの表現が的確で、それでいて斬新さもあり、作者の意図したものが、読者にイメージしやすく仕上がっていました。

内容的には、孤独を突き詰めた人間の姿を見せられる感じで、まだ自分の内部にもその存在を見せられるようで、心に刺さりました。

その内容から、読者は訴えかけられずにいられないのだ、と思いました。