予備試験を地方で独学受験やってみた。そして受かった。

予備試験を、東京から遠く離れた地方で、予備校の答練を使用せずしました。

芥川賞受賞「火花」(又吉直樹作)を読んで

ついに「火花」を読みました。
 
何か大きな賞を取った作品は、期待はずれに終わることが多い中で、「火花」はなかなか読みごたえのある作品でした。
 
 
まず、表現が凝っています。
そして何より、若手芸人の下積み生活、という私が全く知らない世界が描かれています。
 
又吉さんが既にテレビでよく出てくる有名な芸人というのもありますが、
究極的に、勝因はこの二つに集約されるのではないか、と思うのです。
 
 
さらに、主人公は又吉さん自身ではないことは重々承知しているのですが、
やはり又吉さんの感性が反映されていると思わずにはいられません。
 
そのように、あのテレビに出ている又吉さんが…、と又吉さんを主人公に重ねて読む面白さもありました。
 
作中の相方さんも、良い味出してました。
綾部さんだと思って読むと、吹き出しそうになってしまう箇所もありましたが。
 
ただ、作中の主人公やその周囲の人間模様を考えると、世間の人は皆大変な思いをして、生きているのだろうな、ということが想像できます。
 
特に作品の後半部分は、人間の報われなさに思いを馳せ、背筋が凍りそうになりました。
 
ラストは、ややポップであるものの、人間の描写において、暗い影をも感じさせるものがありました。
 
「火花」の感想として、暗いというものがあまり無いのは、同じく暗いという感想を私がもった「コンビニ人間」同様、不思議だな、と思います。