令和二年 予備試験 法律実務科目(民事)自宅作成答案
法律実務基礎科目(民事)
ーー感想
果たして、この答案で、予備試験合格者の中に入れるのやら…?
今年受験した、司法試験の民法と比べると、あまり自信ありません。
民法は、珍しく、なかなかの出来でした。しかしその貯金を、刑法で全て使い果たしてしまった感がハンパないのは、悲しいです😭。
今回の、予備試験の法律実務基礎科目(民事)は、体感としては、中身はともかくとして、何とか、書き切った、という感じです。
一応、予備試験合格者が作成したものなので、受験生の方々にとっては、参考にはなるはずです。
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第一、設問1
1、(1)
所有権に基づく、本件抵当権設定登記抹消登記請求権、一個
2、(2)
Yは、本件抵当権設定登記の抹消登記手続きを、せよ。
3、(3)
本問のような不動産執行(民事執行法43条1項)についての、仮執行は、民事保全法53条による。(同法54条準用)
本問においては、強制執行を目的としておらず、登記原因事実を欠く登記の抹消を目的としている。
よって、仮執行がなされる場合ではない。
4、(4)
①令和二年5月1日Aは、甲土地を代金500万円で、Xに売った。
②Bを登記名義人とする、登記がなされている。
第二、設問2
1、(1)
抗弁とは、請求原因事実と両立し、かつ訴訟物たる請求権を消滅、阻止する事実をいう。
本問における(a)の言い分は、令和二年にAがBに甲不動産を売った、という点で、上記のAの請求原因事実(い)(設問1(4))と両立しない。
よってかかる言い分は、抗弁の主張として認められず、否認理由として主張すべきである。
2、(2)(ⅰ)
① Bを名義人とする、甲土地の登記が設定されていた。
②Bが甲土地の真正な登記名義人であると信じていた。
3、(2)(ⅰⅰ)
(b)の抗弁による主張は、通謀虚偽表示(94条2項)の類推適用による第三者として保護されるとの主張である。
ここで第三者とは、虚偽の外観を前提として新たに独立した法律上の利害関係を有するに至った者をいう。
本問において(ア)の事実はYが甲土地について、新たに法律上の利害関係を有するに至ったことを基礎付けるものである。
このため、かかる主張がなされたといえる。
第三、
1、(1)
Pは、債権者Aが、甲土地について権利を行使することができることを知ったのは、令和七年7月上旬頃であり、その時点からいまだ5年の時効期間が経過していない、と主張する。
2、(2)
Pは、催告による時効の完成猶予(民法、以下省略150条1項)を主張することが、主張自体失当と考えたといえる。
本件抵当権設定登記がなされたのは、令和二年8月1日であり、その時から五年が経過しているため、時効期間(166条1項1号)が経過している。
そのため時効期間経過前にすることを前提とする、催告による完成猶予は、主張自体失当である。
また、令和七年1月15日のPの訴えの時点でも、時効期間が経過しているため、これも、裁判上の主張(147条1項1号)として、主張することは、失当である。
第四、
1、
(1)Aが令和二年5月1日に甲土地をXに売却したことを推認する書証として本件預金通帳、本件領収書がある。
本件預金通帳から、Xが主張する契約日の直後、XからAへ、500万円が送金された事実が認められる。
通常、かかる大金の送金は、滅多になく、かつXが Aと合意していた甲土地代金相当額であるといえる。
このことから、上記の売買契約の存在が推認できる。
(2)本件領収書から、Xが、甲土地の令和3年から7年分までの、Bを名宛人とする固定資産税を支払っていた事実が認定される。
登記名義人がBである、甲土地の固定資産税を、Xが数年間継続して支払っていたことから、甲土地の所有権は、Xであったことが推認される。
2、
Bは、Aから甲土地を購入したと主張するが、これを証明する契約書はなく、契約を推認できない。Xが、Bの代金債務を代わりに弁済したとの主張についても、何らの書証もなく、真実性は乏しい。
3、
BはAの兄であり、地元で顔が広いため、建物建築のための地元の金融機関からの融資の円滑さを考慮して、Aが自己所有の甲土地についてBを登記名義人とすることについて、合理的がある。
以上より、XがAから甲土地を買ったという事実は認められる。
以上